《Master fafaの手記》
Designer's note of DawnTorpedoing
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Dawn Torpedoing! ~南無八幡必殺雷撃隊~
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システマチックな艦隊防空を志向するUSNFと、現場隊員の猛訓練によ
る戦局の打開を目指すIJN、という対照的な体制を持った二つの陣営で
スタートしたのがこのイベントの大きな特徴だったように思います。
さすがに両軍あわせて80人以上という大兵団に参加・指揮統率する
のは一人一人の参加者にとっても難事業だったと思いますが、それに
ふさわしい攻防戦が繰り広げられました。
各参加者のみなさんおつかれさまでした。晴れてノーサイドです (^-^
戦略目標の達成度という意味で一応の勝敗こそつきましたが、内容
は甲乙つけがたいものだったと思います。最終戦などはタッチの差で
惜しい(危うい)場面もあったようです。
以下は総評というよりも、マスターのデザイナーズ・ノートのつもりで
お読み下さい。
<天与の5分間>
日の出前30分頃の5分間、および日没後30分頃の5分間。
跳飛爆撃の専門部隊だった陸軍飛行第三戦隊の難波中尉の談話によ
ると「洋上での艦船攻撃には上空からの艦隊の識別が可能で、しかも
飛行機の識別ができない天与の5分間」があるといいます。
これは夜襲を行わざるえない状況に追いつめられていた当時の日本軍
航空隊が求め続けた時間帯でもありました。
それは今次イベントのタイトルへと凝縮されていました。回を重ねるに
従って両陣営ともこの時間帯の攻防に焦点が移っていったようです。
振り返ってみるにとても見応えのある戦いでありました。
<艦隊防空、苦闘の歴史>
レンネル島沖海戦の時点では米海軍はレーダー管制によるシステマチ
ックな艦隊防空手法を構築しつつある時期でした。最重要機密であった
近接信管の投入が回収不可能な海上での戦いに限って許可されたの
はレンネルの1ヶ月前です。そしてこの戦いの後に艦載機の夜戦化が
試みられます。米国民にもっとも愛されたエースであるオヘア少佐が活
躍したのも同時期です。(米国版のマルセイユともいうべき存在です)
こののち彼が発足して間もない艦上夜間戦闘機隊を率いることになって
まもなく、乗機のF6F3Nとともに味方対空砲火の誤射によって戦死したこ
とはこのシナリオのデザイン時に私の頭の片隅にあったのかもしれませ
ん。沖縄戦での米海軍にみられたような、特攻機を撃退するような完璧
な布陣を完成させるのはもっと後のことになります。
この時点での米海軍の艦隊防空は混乱と闇の恐怖に支配されており
まだまだ未完成でした。戦争終盤の米軍の圧倒的な勝ちっぷりに隠れ
て影が薄い部分でもありますが、それはまぎれもなく苦闘の歴史の始ま
りでした。
今回のUSNFはテストプレイでの圧勝(白昼雷撃の阻止)の後に、本戦
での「薄明雷撃」の脅威にいきなり直面させられたわけですが、USNF
参加者の苦闘ぶりはまさしく現実の米海軍の苦闘の歴史に比べて、な
んら遜色のない高度な戦いぶりであったと思います。
「暗闇の恐怖」、「黙ったままの友達」、「混乱」、そして強敵IJN参加者
を相手にしてこれだけの戦果とシステム開発を行った米海軍の敢闘は
(得点結果は得点結果として)高く評価されるものだと思います。
<雷撃屋、かく戦えり>
実際に海軍中攻隊で行われていた雷撃では、おおよそのマニュアルです
が(後方射点)d5(正横射点)d7(前方射点)d10というものでした。訓練で
の投弾手順は(正横射点)d10(海面高度)60ft(魚雷落角)30度ですが実
戦では安全確保のためにさらに高度を落したようです。さらに投騨後は
目標艦船の舳先を低空・全速ですり抜ける待避戦術をとっていました。
これをそのままWBのCV艦隊に適用することになるとたいへんな事態にな
るのは容易に想像がつきます。この課題をいかにして克服するのかも焦
点の一つと見ていました。本戦の様子ではIJNは遠距離雷撃の錬度を猛
訓練で確保する路線をつっ走っていったように見えましたが、最終的には
あれだけの遠距離雷撃で 0.15~0.25 前後の命中弾を得るという驚異
的なレベルに到達したのですからこれはかなりたいしたものです。
参考として、第三中隊待機所のHPを紹介したいと思います。ここには彼
らの生の声が如実に現れています。rokiさん、このページをぜひ公開して
欲しいんですけど、お願いします(^_^
現場雷撃隊員の生の声には迫真の迫力があり、資料としてもすばらしい
価値があるものだと思います。(これも永久保存したいなぁ ^_^;)
ちなみに白昼雷撃の場合の雷撃機の損害の大きさについてはIJN司令
部もたじろいだ節があります(笑)
防衛庁編纂の某書にも「一式陸攻の昼間雷撃の限界を示した戦い」と
あるようですが、これはずいぶん控えめな表現ですね。
はるかに優速で防弾に優れたJu88を使用してもこの高い未帰還率とな
る結果が出たわけですが、一式陸攻を使用した場合の結果は押して知
るべしです。戦闘機の援護もなく、マレー沖海戦のノリで白昼雷撃にいく
つもの部隊を送り出しておきながら、なんら戦訓を学ぶことがなかったの
は悲劇です。防衛庁の戦史研究も然り。これはまさしく自殺行為です。
魚雷を当てる技量を持っていながらも優秀な敵機に阻まれて射点に到達
できない可能性が非常に高く、少々の損害でも微妙な操作手順を要求
される雷撃側にとってはかなり深刻な被害となってしまう点など、イベント
を通して何度も切歯扼腕したシーンがあったことと思います。まさに雷撃
屋は忍耐だったようです。テストプレイ完敗の結果が出たときには雷撃屋
の諸氏がある程度イベント投げちゃって軽く流すかな?と思っていたので
すが、さにあらず。逆境から素晴らしい敢闘精神を発揮したようです。
ぎりぎりまで速度を捨て、ぎりぎりまで高度を捨て、弾幕と敵機をかいくぐ
りながらも、これで最後に「魚雷命中、されど不発」とか言われたら悶死し
ちゃいますね(^_^;ごくろうさまでした。
<Historical>
レンネル島沖海戦はガダルカナル戦の最後の局面として発生した海戦
です。大本営は御前会議にて正式に「ケ」号作戦を決定しガダルカナル
撤退の方針を固めます(昭和17年12月末)
そのためにはソロモン方面の制海空権を一時的にも確保する必要があ
りました。マレー沖海戦に参加して休養・再建中であった705空や最古参
の701空もこれに投入されます。一方、兵員輸送のためにヌーメアを出港
して北上したTF18は遊弋するTF16と連携してガ島西南端に向かいました。
レンネル島沖海戦は日本軍による事実上初めての夜間強襲雷撃作戦で
あり、日本海軍中攻隊による最後の大型艦船撃沈の戦果となった戦いで
もあります。そして米海軍は新たな脅威に直面するのでした。
G4M1の代理にマスターの基準でJu88を選んだことに関してはすっきりしな
い部分があったことと思います。もっと喧々囂々となるかと思っていました
が幸いそのような事態に陥ることもありませんでした。それもこれも皆さん
のご協力とご理解ゆえと感謝しております。
ついでだからばらしますが、厳密にいえば当時のTF18の艦載機はFM2で
はなくF4F-4(F4F-3?)だったはずです。当時のTF16(Enterprise)の艦載機
も同じくF4Fでした。A6M5とG4M3(本来はG4M1)についても登場時期を
早くしてあります。ここらへんは意図的に昭和18年末~の状況に設定させ
ていただきました。
「護衛空母のくせにやたら堅いぞ」とか「護衛空母なのに高速すぎる」とか
についても、つっこまないでね(^_^; なおサンガモン以外の登場艦船の名
前は実在のTF18から拝借しました。
<最後に>
雷撃機を巡る攻防をイベントの中心に据えるのは危険な作業でした(笑)
開き直ってPQ17以降の北極海雷撃戦<ライオン雷撃隊>も想定してい
たのですが、雰囲気がしっくりくると言う意味ではレンネルに舞台を持って
来てよかったと思っています。すばらしいスクリーンショットや味のある雰
囲気を醸し出す両陣営のHPを見るにつけ、そう思います(^_^;
DTではたくさんの試みや企てが出現しました。
夜間作戦行動、払暁雷撃、レーダー管制、ゾーンディフェンス、翼端灯
の戦術応用、さまざまな雷撃戦術、DT終了ルール下での作戦撤収、
レーダーの兵器としての威力、索敵戦術の研究、雷撃ガンサイト……
などなど。
まさにDawn Torpedoingのタイトルにふさわしい戦いだったと思います。
参加者のみなさん、ありがとうございました。
楽しんで参加されたことを心から願っています。
陣営MLを管理して下さったphantm氏、得点集計システムを提供して
くださったroki氏、リザルトの公開やルールの助言をいただいたtsuyo
氏、batman氏、sy-c氏、諸兄の運営協力にはこの場を借りてお礼しま
す。たくさんのありがとう。さらに両軍司令官であったtukiyo提督、g--k
--将軍、roki司令官代行にも感謝。
イベントが私の手を離れて動き出してからは、参加者のみなさんが
このイベントを作り上げたといっても過言ではありません。
すばらしい戦いを見ることができました。
全参加者にたくさんたくさんありがとうを贈ります(^_^
私もとても楽しめました。
マスタリングにも多くの反省点がありますが、それもまた財産です。
PS
さー、新しいバージョンのWBが来るぞ~ (^-^
またまた楽しみです。
それではお空であいましょう
☆☆☆ The 102kuu POWERFOOLS ☆☆☆
I have not yet begun to Fight ! - Kenteki Hissen
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