《obak二飛曹の手記》


obak二飛曹の手記

この戦域での戦闘は終了し米英の連合軍は撤退していった。
とりあえずは終わったのだ。

思えば長い2ヶ月であった。
2ヶ月前、私は普段の爆撃さえままならなかったのである。
それなのに零戦での爆撃。何という事だ。
零戦は50キロ爆弾を2発しか積めないのである。
脆い対空砲座でさえ直撃しなければ破壊できないのだ。
目の前が真っ暗になった。
少しは乗り慣れた九九式艦爆の使用を上申しようとしたがとても出来そうな雰囲気ではない。
私は覚悟を決めこの日から血の滲むような猛訓練が始まった。

それからの猛訓練のおかげで自分なりの爆撃方法を見つけ確実に対空砲座を破壊する事が出来るようになった。

かくして実戦が始まった。
1戦・2戦・3戦と日本軍の不利は続く。
特に第2戦の1次攻撃時の撃墜される直前に見た、唯一残ったhutは一生忘れないだろう。

次はいよいよ最終戦である。
最終戦はなんと九九式艦爆と決まった。
戦いが始まる前であれば大歓迎したが零戦に慣れてしまったこの身には大変厳しい。
その上、零戦での爆撃があまりに上手く行くので調子に乗って、敵より鹵獲したB-17やB-25で急降下爆撃して遊んでいたので爆撃の感が鈍ってしまっていた。
九九式艦爆で全く当たらなくなってしまった。これは一大事である。
仕方が無いので零戦で爆撃30本やってから、もう一度九九式艦爆に乗って爆撃したところ何とかなるようになった。
一安心である。

ところが最終戦前日とんでもない事が起こった。私と3177氏の名前がnabe少尉から発表された一欄に無いのである。
基地に居残って草刈りかと思ったが、どうやら少尉が多忙の為にひょんな事でに抜け落ちてしまったらしい。
司令からの搭乗割に名前があって一安心。

そして最終戦である。
F7基地を離陸した我々日本陸海軍機は幸いな事に敵に見付からずここまで来れた。
まもなく敵の本拠地に攻撃をかけるところである。
私の第一目標は東側の対空砲座、第二目標は指令塔である。
恐らく第一目標の東側の対空砲座は先行した零戦隊が破壊してくれると思うが、万が一の事を考えて機首を東側の対空砲座に向けて降下する。
目標への最終降下を始めようと思ったところで目標が炎上した。
機首を指令塔に向けたところで後方から銃撃を食らった。
(後に通信記録を見ると6コールをzz-r伍長が出してくれていたのだが全然見えていなかった)数発当たったようだが既に降下を始めている。無視するしかない。
しかし無理な方向転換が祟って降下角が分からなくなってしまった。
だからこの計器盤は嫌いだ。とんでもないところに水平儀とか書いてあるし。
降下角が分からないと私には正確な爆撃ができないだ、しかし出来る限りの事はしなければならない。
狙いを付けて全弾投下。しかし全弾外れ。何という事だこの最後にきて外した上に残弾も無い。
もう何もする事はできない。あとは陸軍の爆撃が成功する事を祈るしかないのだ。
戦域を離脱し後部銃手に何やってんだーと怒鳴ったところ発砲許可が無いと帰ってきた。
誤射を恐れて発砲しないように厳命しておいたのだが敵に襲われても撃たないとは頑固な奴だ。
F17基地に連絡を取るとまだ占領されていないようだ(これは勘違いかもしれない)。
F17基地ならば上手く行けば4分で行って帰ってこれるかもしれない。
後部銃手に発砲許可を出して全速でF17に向かうが速度が上がらない。
計器をチェックすると引っ込めた筈のダイブブレーキが出たままになっている。
引っ込めようとするがどうやらこの辺に弾が当たったようで動作しない。フラップも動かない。
このままでは速度が出ない。不時着するかこのままF17へ行くか迷ったがこのまま行く事にした。
しかし方向がまずかった。敵の離陸方向へ行ってしまったのだ。
火山の裏に行ってしまえば安全と思っていたところへ後部銃手が発砲開始。
振り返ってみると味方の銃撃をぬって敵のP-38が離陸して来ていて背後に迫っていた。
ダイブブレーキは上がらず速度も出ないとくれば出来る事は何も無い。
必死で逃げるがあっさり撃墜され海面に突っ込んでしまった。
しかし陸軍機と違って海軍機は胴体内に浮きが入っているので簡単には沈まない。
後部銃手と共に脱出し、海面に漂いながら沈みゆく愛機を見送っていると、その沈みつつある愛機の無線機から入電。
「占領に成功した!!」我々は勝利したのだ!

暫く泳いだ後、私と後部銃手は運良く通り掛かった味方の艦隊に拾われて基地に戻る事が出来た。

この戦いは総力を掛けた日本軍の勝利に終わったが、物量や性能に優れる連合軍がこのままでいるわけはない。
今後はさらに厳しい戦いが続くのだろう。